訪問看護ステーション経営研究会

多数店舗展開訪看ステーション統括経験者による訪看経営コンサルティング

【訪問看護】フランチャイズ・コンサルで成果が上がらない理由3つ

訪問看護事業に参入するにあたり、フランチャイズ加盟やコンサルティング利用を検討されている、または既に契約されている、という方に向けて、フランチャイズ加盟やコンサル契約で成果が上がらない理由、また正しい利用方法について詳しく解説していきます。

 

この記事は以下のような人におすすめです

 

1.サポートして欲しい内容が明確になっていない

冒頭ですが最大の理由といっていいでしょう。フランチャイズやコンサルのサポート内容は、サポート元企業やプランによって違います。ろくにリサーチもしないまま「とりあえず有名どころを選んで全部任せておけば大丈夫」と、検索エンジンの検索上位の企業の商品を選んでしまうのは大変危険です。事業説明を受けている時に、あらかじめ何をサポートして欲しいのかが明確になっていなければ、どんなサポートをどのように、どこまで受けられるのかを深掘りできません。結果的に「ここまでやってくれると思っていたのに・・・」「本部は肝心なところを全くサポートしてくれない」ということになってしまいます。

2.肝心なところのサポートは無いに等しい

資金繰り、エリアマーケティング、採用、詳細な運営コンセプト設計など、訪問看護事業の成功に欠かせない部分のサポートは無いに等しいと言っていいでしょう。事業の大前提である資金繰りについては、どれだけ詳細でリアリティ・信用のある事業計画書作成ができるか、がポイントになります(融資自体を行うプランもありますがその場合は利率がポイント)。金融機関の判断や事業計画書以外の要素にもよりますが、リアリティ・信用を兼ね備えた事業計画書関連データを用意してくれるプランはほぼありません。上記その他については、全てが連動しないと厳しい事業運営を強いられます。エリアマーケティングに失敗すれば事業成功はそもそもあり得ませんし、採用に失敗すれば事業継続ができませんし、詳細な運営コンセプト設計がなされなければ需要があっても対応できません。現場レベルまで深掘りされた商品コンセプトのプラン(サポート)はありません。

3.結局所長頼みの部分が多い

関係機関との関係構築は所長を筆頭に現場スタッフでしていく他ありません。訪問看護事業の場合は事業主=所長の場合も少なくありませんが、そうでない場合は結局自分以外の誰か(=所長)に任せるしかありません。関係機関との関係構築は収益面はもちろんのこと、利用者に提供するサービスの質にも直結します。また、スタッフ管理・教育や、レセプト、実地指導の対応など、所長が担う役割は多岐に渡り、どれが欠けてもまともな訪問看護事業の運営は不可能です。しかし、フランチャイズやコンサルが関係機関との関係構築をしてくれるわけではありませんし、スタッフのメンタルケアや技術教育をしてくれるわけでもありません。レセプトは外注もありますが、レセプトに必要な情報を集めるのは結局現場です。フランチャイズやコンサルは間接的に”ノウハウの提供”をしてくれても、直接顧客やスタッフにアプローチはしてくれないのです。

まずは訪問看護事業の理解を深めるところから始める

訪問看護フランチャイズやコンサルは、例えば飲食業フランチャイズのように競合ひしめく業界ではなく、ニッチと言えるでしょう。業界としてはまだまだ未成熟なのです。ゆえに本部の統括システムやマニュアル、管理フロー等全てにおいてまだまだ未成熟な状態です。つまり、冒頭にも申し上げましたが”全て本部に任せておいて大丈夫”は大変危険な考え方です。ニッチゆえ事業運営に関する情報も少ない。フランチャイズやコンサルの事業説明を受けて経営面での理解や、訪問看護の一般的な理解を深めた後、実際に訪問看護事業に精通している人にできるだけ多く話聞くことで、数字に現れない部分の理解を深めましょう。それが、不足な自体が起きた時の対応力にもなるはずです。明確なビジョンを持っていれば、フランチャイズやコンサルがそもそも必要なのかどうかの判断、使うとしても効果的で無駄がない使い方ができるはずです。

まとめ

フランチャイズやコンサルが必ずしも不必要というわけではありません。肝心なのは、利用する目的がはっきりしているかどうかです。フランチャイズは最低契約期間がコンサルに比べて長くなりがちです。コンセプトをしっかりと理解して、加入の是非を決めましょう。コンサルはできるだけ、必要な時に必要な量だけ必要なところに使えるようにすることを目指しましょう。フランチャイズほど契約内容に縛られないことが多いので、事業説明を受ける中でサポート内容や金額面を交渉するのもいいでしょう。